皮膚科診療のご案内
皮膚・耳に悩むみんなのオアシスに・・
ー治すを目標にー
皮膚病の多くは治すことができない体質的なものが多いと理解されています。
確かに、アトピー性皮膚炎や、脂漏体質など遺伝的な体質が元にある場合には、完治させることが難しいこともあります。でも、”どうせ治らない”から始めてしまっては治る病気も治りません。
まずは ”きっと治るのではないか?”
”きっともっと良くなる”から始めます。
なかなか治らないのであればその原因を、治っても繰り返すのであれば繰り返す原因を、一緒に探していきたいと考えています。
皮膚病は、複数の原因が重なっていることが多くあり、それを一つ一つ解きほぐしながら多角的にアプローチしていきます。
☀️皮膚や耳がよくならない
☀️皮膚や耳が悪くなる原因を調べたい
☀️もっとお薬を減らしたい。他の方法はないか相談したい
☀️他の病院で手術を薦められた慢性外耳炎で、もう一度内科治療にチャレンジしたい。
などの診察・相談に応じます。
” 快適に過ごすが目標! ”
診断の結果、体質的に完治が困難だということが分かっても、スキンケアや食餌の問題にアプローチして、安全、かつ快適な過ごし方を目標にしています。
” 快適な過ごし方が目標! ”
ー皮膚病の診断ー
皮膚病は内科疾患の1つです!!
皮膚は目に見える内臓の1つみたいなものと考えています。
品種、年齢、性別、体重、身体検査、皮膚以外の全身の病気はないかなども重要な情報です。
病歴や治療歴を丁寧に聴取して、初めて皮膚の診察になります。
現在の皮膚の病変が、どこにどんな風に現れているかをよく観察し、必要に応じた検査を提案します。
治療前
ー皮膚の検査ー
うつるものではないか、心配ですよね!
毛やフケを少量採取して、感染性の病原体がないかなどを顕微鏡で観察します。
また、病変部の細胞をセロハンテープで採取したり、直接スライドグラスに塗布して、染色して顕微鏡で観察します。問題になっている微生物(細菌や、酵母菌など)や、上皮の状態、炎症と関わる細胞の有無などを観察します。
ーその他の検査ー
説明・相談しながら必要な検査を提案します!
皮膚の問題が何から生じているのかを考えるために、全身の評価が必要なことがあります。一般的な血液検査(内臓の病気やホルモン系の病気などを調べる目的)や、超音波検査を提案することもあります。
また、アレルギー性皮膚炎を疑う場合は、血液検査でアレルギー検査を行うことができます。
ー皮膚病の治療ー
内服薬、外用薬、スキンケア、食餌療法をオーダーメイドに組み合わせて・・
ー内服薬ー
原因により、飲み薬の種類は異なります。原因に応じて抗生物質や抗真菌薬、必要に応じて、痒み止めを処方します。
痒み止めはひと昔前にはステロイドが主な選択肢でした。
今はステロイドの他、各種の免疫抑制剤、新規の安全性の高い痒み止めや、月に1回の注射薬など選択肢が広がりました。また、犬猫にはあまり効果がないと言われる抗アレルギー薬ですが、相性が合えば大変心強い味方になります。
内分泌系(ホルモン系)の病気の場合は、きちんと検査やモニターをしながらホルモンの調整を行う薬を処方していきます。
ースキンケアはとっても大切ー
一緒に頑張りましょう!
最近は犬でも人間と同様にアトピー性皮膚炎が皮膚の構造異常、特に乾燥傾向と関係しているのではないかという証拠が集まりつつあります。
その子の肌質をみて、ちょうどよいスキンケアの方法を探しましょう。
スキンケアが大変な時は院内で部分洗いなどのお手伝いができます。皮膚に優しい洗浄を行います。シャンプー後は保湿剤をお勧めしています。
また、痒みがあり、掻いている子の皮膚は細かな傷が付き、そのために新たな痒みが持続してしまいます。
皮膚の状態を一度良い状態に近づけるために、皮膚保護服をしばしばお勧めしています
治療前
治療後
ー外用薬ー
動物も外用薬が使えます!
犬や猫は毛が生えているので、外用薬は使えないと考える獣医さんや飼い主さんがまだまだ多いようです。そのために安易に全身ステロイド薬(内服薬)や高価な免疫抑制薬を長期にわたって処方されているケースをよく見かけます。病変が部分的になったら上手に外用薬を使用することで、内服薬を減らすことを積極的にお勧めしています。そのための工夫もいくつかお伝えしています。
ー食餌療法ー
色んなコンセプトの食事療法があるんです!
☀️皮膚に良いというフードを色々試したけど良くならない?
☀️検査をしたらいくつも陽性になってしまって、食べられるものがない?
皮膚疾患用のフードと一口に言っても色々なコンセプトの商品があります。
それぞれの食餌療法の意義をきちんとお伝えし、効果的な使い方、避け方をお伝えしています。
検査は偽陽性の少ない信頼できる検査センターを使用しています。
療法食を受け入れられない子では、そのご家庭で可能なやり方や、サプリメントなどをご紹介しています。
ー減感作療法ー
身体がアレルギーの原因物質に反応しにくくなる方法です!
アレルギー体質を改善する唯一の根本療法です。減感作療法を行うことで、ステロイドやアポキルが毎日必要だった子が必要なくなった例もあります。
人ではスギ花粉の舌下免疫療法が有名ですね。まずは週1の注射から始めています。
ーサプリメントー
サプリメントは信頼できるものを!
サプリメントは基本的に効能を謳えないので、これが効きますとは言いにくのが現状です。しかしながらちゃんとした科学論文で一定の効果が示唆されているものは複数あります。どうせ色んなサイトでご自分で調べて購入するなら、獣医師がきちんと調査したことがあるものを使用しませんか?体は摂取したものから作られるので、サプリメントなどの補充療法も期待できますよ。
日本獣医皮膚科学会 日本獣医皮膚科学会認定医
山本 真紀子
東京農工大学農学部獣医学科卒業(衛生学研究室)
埼玉の病院で、一般診療および外科診療を6年あまり学んだ後、
青梅市のアース動物病院(現アテナ動物病院)にて勤務院長として3年勤務
東京農工大学 内科学研究室(皮膚科)Ⅱ腫研修医 約3年
結婚後
横浜市 ベイサイドアニマルクリニック、アンベットクリニックにてパート勤務、
一般診療および皮膚科診療を行いながら、2012年に皮膚科学会認定医を取得
翻訳や、雑誌のコラムなども複数手掛ける。
© 山本 真紀子